父の死に




父の死

悲しみは、ゆっくりと降り積もる。
こころの奥の深いところに、しんしんと降り積もる。今も。

気づくべきだったのだ。
昨年、各務くんが逝き、別所の義父が逝き、よっしーが逝き。
生きている美しい力は、静かな死へと、いつも、あっけなく、
移りかわるということに。

父の死は、
僕の幼少期の、成長期の、記憶の蓋を開ける。
大人へとむかっていたあの季節。

おまえが行きたかった人生を行けと、
言っているかのようだ。
あのころの父が。