たまにはブログを
狂気はどうしてこんなに美しいのだろう。
MET版オペラ「ハムレット」を観る。映画だけど充分トリハダもん。
権力にとらわれながらも抗い、暴走する肉体。
行き先の見えない(見ない)熱情。
老と若、偽と真、悪と善、の対立
と思う間もなく、汚れてゆく善、壊れてゆく愛。
狂いながら歌うオフィーリアの美しさが胸を打つ。
(あゝ、これこそオペラ)
手首を切った恋人を思い出す。
それは精神の、ままならぬ現世に対する優越? それとも敗北?
ラストシーン、喪服でずらりと並ぶ王族官僚たち。
対置させられる追い詰められた若い主人公に、
勝利の見込みも大義もすでに失われながらも
アメリカ帝国に対抗するアル−カイダが重なる。
そして世界の終末を連想するのは。僕だけか。
フレンチ・オペラ 恐るべし。